賀茂祭
養老元年(717)四月十五日の社地選定と、天平八年(736)五月六日の賀茂皇大神様を迎える鎮座記念日を例祭日と定め、創建当初より行われている1300年近く継承されてきた賀茂神社の祭典の中で最も大切なお祭りです。 四月十五日の神幸祭(みあれさい)よりはじまり、五月六日の賀茂祭迄の約一ヶ月間の期間に行なわれるお祭りです。
四月十五日(現在は以降の日曜日)には境内奥の杜に神を迎え、 神様の神霊をお慰めし、その日より例祭諸儀式が始まります。 それより日々神職による祈りが行なわれ、例祭賀茂祭へと進みます。 この賀茂祭では大祭後、百名以上の方々の奉仕により渡御が行われ、引き続き御旅所神事を行ない、日本の競馬の原点である宮中の競馬の形態を受け継ぐ「足伏走馬」行事が、1300年の馬の心を伝える境内の馬場にて行なわれます。 そして、賀茂大神様は御本社へお還りになり、お祭りは終了致し、翌日には御宴祭が行なわれ全てのお祭りを納めます。
賀茂祭のいわれ
御鎮座記念日の例祭日に先だち摂社「日吉神社」の祭礼が非常に重要であります。 摂社「日吉神社」の御祭神は「大山咋神」であり、説による「玉依比賣命」と御夫婦である事から、日吉神社の祭礼が非常に重要になってまいります。古来はこの日吉神社の祭礼が行われなければ、当社の祭礼は行えないとされています。 日吉神社の祭礼は古来4月13日に宵宮が行われ、翌14日に例祭が行われます。13日の夕刻「日吉神社」の宵宮祭を行い、日吉神社境内にて松明を奉納し、火の霊威によって日吉大神様の霊威が増大するとされます。宵宮の日に日吉大神様は御幣にお遷りになり、氏人と共に盛大に宴が催されます。その大きなお力を持たれた日吉大神様は翌日、氏人と共にお渡りになり、賀茂神社の本殿の殿内にお入りになります。お入りになられた後、賀茂神社本殿にて日吉神社の例祭を行います。(これは日吉大神様が玉依比賣命様と神婚式をされ、祝いの為の祭りとされます。) 古来は、「通い婚」と言って男性が女性の家に行って、ご結婚、妊娠となっておりましたことから、現在で言う結婚の儀式と言えるでしょう。 そしてその翌4月15日に賀茂大神様四柱は大榊にお遷りになり、氏人と共に境内の奥杜に入られ、霊威が増大する、また霊威が再生される為のお祭りが行われるのです。これを当社では「神幸祭」、または「御生れ祭」と呼んでいます。 この祭りは5月の例祭「賀茂祭り」と同様の行列を組みお渡りが行われます。この日より賀茂祭の神事が始まるのであります。お渡りから還られた大神様は御本殿にお戻りになり、最高の霊威にて5月例祭を迎えられるのであります。 そして5月の例祭「賀茂祭」は御鎮座の記念日として創建当初より変わること無く受け継がれ、競馬の神事も古来の通りに行われているのであります。 この一連のお祭りは神話の流れに基づき、それを再現していると言っても過言ではありません。 日本の「氣」の集まる聖地にて、日本の災いを封じる為、賀茂大神様の霊威を再生し、神様方の出会いのお祭りとしての意味を持ち、日本の馬の原点たる神事を賀茂大神様の大前にて行う。 賀茂大神様の霊威がいかに強く、無辺のお力であるかを顕す非常に意味の深いお祭りです。

